今回は当社がライセンス契約を交わしている英国MUSION 3D社が2021年4月に手掛けた3Dホログラムシステムの事例をご紹介します。
ステージ演出のイメージが強い3Dホログラムですが、今回の事例ではコロナ禍で人々の日常のコミュニケーションを取り戻すためにホログラムが取り入れられました。
不思議なピザ屋さんが登場
新型コロナウイルスの世界的な感染症拡大により人々の往来は制限され、会いたい人にも会いに行くことがむずかしい現在。このような状況は日本だけでなく世界各地でも同様です。
そんな中、イギリスで最先端テクノロジーを利用し、なかなか会えない人たちを再会させるというとても興味深いイベントが開催されました。
英国南部に位置するロンドン、そしてロンドンから北へ400マイル(約645km)離れているエディンバラ。この2つの都市に、ある日同時に小さなピザ屋さん「Two Hearts Pizzeria」がオープンしました。
それぞれのビザ屋さんの店内には、等身大の映像を投影できる3Dホログラムシステムが設置され、映像と音声のリアルタイム伝送を可能にする高速通信システムも装備されています。これにより400マイルも離れた2つのレストランで人々が会話をしながら食事を共にできる空間が実現しました。
多くのミーティングアプリのようにモニター越しで会話をするのではなく、ホログラムシステムを取り入れることによってまるで実際に等身大の相手と【同じテーブル】に座っているかのように感じられ、より身近でインタラクティブなコミュニケーションを体感することができます。
イベント参加者たちは、この不思議なピザ屋さんでひさしぶりに会う友人や家族、親族や恋人たちと笑顔があふれる幸せなランチタイムを過ごしました。
ピザ屋さんのからくりは?
今回、ピザ屋さんに設置された3Dホログラムシステムは、コンサートステージや舞台、テレビ番組などの演出として幅広く利用されています。ホログラム演出専用に開発された特殊なフィルムスクリーンを使用することで、ステージ上には存在していない人物やオブジェクトをあたかも実在しているかのように見せる方法です。
このフィルムスクリーンはさまざまなサイズに調整でき、大型ステージやテレビスタジオのような大スペースから、今回のような小さいスペースにも設置することが可能です。たとえば、今回のピザ屋さんは6メートル×4メートルのスペースで設計されました。このサイズであれば、例えば企業の会議室やちょっとしたイベントスペースなどにもホログラムシステムを設置できます。
コロナ禍で移動や接触機会が制限される中でも、このようにアイデアを巡らせて人々のコミュニケーションと笑顔が絶えないよう努めていきたいですね。
◆ イベント主催者 Virgin Media社のプレスリリース(英文)
HELLO-GRAM WORLD-FIRST HOLOGRAM DINING EXPERIENCE OPENS IN LONDON AND EDINBURGH