プロジェクターには多くの種類がありますが、どのくらいの明るさのものを選んだらいいのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。今回はプロジェクターの選び方について掘り下げていきたいと思います。
スクリーン照度とプロジェクターの輝度を確認しよう!
投影する映像サイズに対してプロジェクターの光量が十分かを検討する際に目安となる数値があります。
- プロジェクターの輝度(プロジェクターから出力される光量の度合い)
- 投影面の面積
- スクリーン照度(プロジェクターからスクリーンに投影された映像の明るさ)
暗転状態※におけるスクリーン照度の算出方法(全白投影時)
ここではEPSON製のプロジェクター「EB-PU2216」を例に、330インチスクリーンへ投影したときのスクリーン照度を計算していきます。次の計算式で算出することができます。
プロジェクターの明るさ(ルーメン)÷投影サイズ(㎡)=スクリーン照度(ルクス)
これをEB-PU2216Bの輝度、330インチスクリーンの面積に当てはめると…
①16,000(ルーメン) ÷ ②30.08(㎡) = 532(ルクス)
と算出することができます。
※暗転状態とは環境光の照度が0ルクスの状態、つまり照明が一切灯っていない真っ暗な状態のことです。
必要なのはスクリーン照度「500ルクス」以上
スクリーンに映像を適切な明るさで投影するには、スクリーン照度500ルクス以上を推奨します。先ほど想定したシチュエーションでは計算結果が532ルクスとなったので、機種の選定の第一段階はクリアです。 十分なスクリーン照度を確保できれば下の〈図1〉のように鮮明で見やすい映像を投影することが可能です。逆に、スクリーン照度を確保できないと〈図3〉のように映像は暗く見えづらいものとなります。<スクリーン照度500ルクス>
イベントの実施に適した明るさです。表彰式やパネルディスカッションなど、ステージに照明が必要なシーンや飲食を伴うパーティーなどでも映像を視認することができます。プロジェクターを選ぶ際に最初に目安にしたい数値です。
<スクリーン照度300ルクス>
薄明りの環境でも映像を上映することができますが、イベントの進行上照明を多用する場合にはその明るさに負けてしまうことがあります。周囲の環境によっては、やや物足りないと感じることがあるかもしれません。
<スクリーン照度100ルクス>
映像を問題なく見せるために暗転環境が必要なレベルです。屋外暗所でのプロジェクションマッピングで最低限必要とされる照度といわれています。セミナーなどで客席にメモを取るための照明を点灯した場合、画面の視認に影響が出ることがあります。
会場の明るさとの兼ね合いは…?5対1の法則
ここまではスクリーン照度について紹介をしてきましたが、次に考慮したいのは会場の明るさです。 イベントの進行では、オープニングやエンディング、演者の登場シーンやプレゼンテーションなど、シーンによって照明や会場の明るさを調節します。会場が明るくなればなるほど、プロジェクターで投影した映像は見えづらくなるので注意が必要です。映像コンテンツがメインの場面ではできるだけ照明を暗くし、映像を見えやすくする工夫が必要です。スクリーン照度に対する環境光の照度にも目安があります。スクリーン照度(ルクス):環境光照度(ルクス)= 5:1
まとめ
このようにイベントで使用するプロジェクターを選ぶ際には、プロジェクターの輝度だけでなく、投影するスクリーンサイズや会場の状況、演出内容を考慮して決めましょう。
「機種や機能がたくさんありすぎて選べない…」「こんな場合はどれにしたらいいの?」「明るいプロジェクターを使いたいけど予算がちょっと…」などお困りのことがありましたら、当社スタッフまでお気軽にご相談ください。